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産経抄ファンクラブ第136集

941 :文責・名無しさん:2010/05/30(日) 05:17:58 ID:EF4l4Hml0
【産経抄】5月30日

 閣僚の「罷免」は、憲法68条で首相に与えられた権利である。しかし実際に罷免された大臣は戦後、
4人しかいなかった。ほとんどは自ら辞任するからだろう。その中で、多くの人の記憶に残っているのは
中曽根内閣の藤尾正行文相に違いない。

 ▼昭和61年入閣して間もなく、月刊誌のインタビューで東京裁判や靖国神社問題など歴史認識で持
論を披瀝(ひれき)した。このうち韓国併合について「韓国側にもいくらかの責任はある」などと述べた。
これが報道されると、韓国は猛烈に抗議、マスコミのバッシングも始まった。

 ▼中曽根首相の訪韓の直前だっただけに、政府や自民党はあわてた。実力者たちが文相を辞任する
よう説得したが、藤尾氏は「辞任は信念を曲げることになる」と、一歩も引かない。最後は首相が「それな
ら辞めてもらいましょう」と罷免に踏み切ったのである。

 ▼藤尾氏は自民党でも一匹狼的なところがあり、罷免が政局を混乱させることはなかった。しかし後世
に禍根を残したのも事実だ。つまり、閣僚や政府関係者は、自らの歴史観を語ってはならないというタブ
ーができた。自由な歴史論議を政府が封じ込めてしまったのだ。

 ▼5人目の罷免閣僚となった福島瑞穂・社民党党首も「頑固さ」では藤尾氏にひけをとらなかった。だが
どうにも隔靴掻痒(かっかそうよう)である。普天間飛行場を沖縄県内に移設する政府方針に反対だといっ
ても、それなら日本の安全をどう守るのか、それが少しも伝わってこないからだ。

 ▼そもそも民主党と社民党とが連立を組んだときも、安全保障などの議論はあいまいだった。これでは
破綻(はたん)もやむをえない。藤尾氏の場合もそうだったが、肝心の点の議論抜きで、表面を取り繕うよ
うな政治はもはや限界にきている。


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